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秋も深まる中、季節のずれた妙なタイトルですが。この夏も大変な
猛暑でした。そのさ中、地ビールならぬ地コーラを製造販売する
ユニークな会社から、とあるご依頼をいただきました。独自調合に
より独特の風味を持つコーラ飲料を提供されている、伊良(イヨシ)
コーラという会社で、都心の新宿区高田馬場に居を構えています。
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1本ご馳走になったところ、長年コカ・コーラや
ペプシを飲み続けた口には感動的な味わいです。
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先々代の伊東良太郎氏は和漢方職人で、
その葯工がクラフトコーラに生かされています。
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猛暑・灼熱の中、下落合の伊良コーラを訪れ
ます。ビルの1階に小さな倉庫があります。
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倉庫の内外には頑丈そうな
木箱が山積みされています。
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中国の会社に製造を依頼し
輸入した製品だそうです。
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木箱の周囲は金属板で縁取りされており、
かなり乱暴な取扱いにも耐えられそうです。
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木箱の中にはほぼ同サイズの
段ボール箱が入っています。
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炎天下で、中身を引き出す
だけでも大変な重労働です。
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梱包バンドを切り離すと外箱の固定が
解除され、ようやく中身が出てきます。
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外箱を上に引き上げると、
中から現れた製品は・・
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店頭に設置してコーラを販売するための小型冷蔵庫
です。特別注文して製造されたもので、前面上部に
イヨシコーラのロゴとカワセミのイラストが入っています。
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依頼された内容とは、この冷蔵庫に
冷媒を充填して欲しいとのことです。
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理由があって、冷蔵庫には冷媒が入っていま
せん。正確には輸出前に冷媒を抜いたそうです。
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輸送は航空便だったのでしょうか(多分)、冷媒が
充填された状態では積み込めなかったそうです。
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なので、受け取った後であらためて冷媒を
充填して使用する取り決めだったそうです。
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調べてみると冷媒はR600a、僅か18gの
再充填です。大した作業ではありません。
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数本のネジを緩め上部カバーを取り外し
ます。小奇麗ですが何とも華奢な造りです。
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割としっかりしたコンプレッサーで、110-120V、
60Hzで1HP、国内では0.7HPくらいでしょう。
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幸いなことにサービスポートが付いています。家庭用
冷蔵庫のようにポートが溶接で閉じられていると、面倒な
ことになるところでした。冷媒R600aはカーエアコンにも
使用されるので、カー用品店などどこででも手に入ります。
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サービスポートのキャップを
外しておきます。
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用意したマニホールド、真空ポンプ、
冷媒缶をホースで接続します。
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サービスポートへはコントロール
バルブを介して接続します。
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家庭用エアコンの真空引きや
冷媒追加と同じ要領です。
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真空ポンプを起動し真空引きを始めます。
冷却系に残る元の冷媒も除去します。
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たまにしか作業しないので、マニホールドの
バルブ操作手順でいつも悩みます。
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真空ポンプ~サービスポート間を
開通すると内部の空気が吸い出されます。
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真空ポンプ付属のゲージ
指針の動きを確認します。
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冷却系の内部容積が小さいので
あっけなく下がり切ってしまいます。
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マニホールド側のゲージは負圧範囲が僅か
ですが、こちらもほぼ真空を示しています。
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冷却系内部に入り込んだ水分を
除去するため、10分ほど続けます。
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真空ポンプを停止してさらに10分ほど待ち、
ゲージ指針に変化がないことを確認します。
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R600aは自然冷媒(イソブタン)で、主にカーエアコン用の
代替フロンR134aよりもオゾン層破壊係数や地球温暖化
係数が非常に低く約1/400です。R600aへ移行が進むも
現状はまだ両者とも混在して使用されているようです。
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冷媒缶側のマニホールド
バルブを開きます。
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充填量僅か18gを正確に計量するのは何とも厄介です。
しかも100gのサービス缶は内部圧力が低いので・・
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数g入るとその先がなかなか進みません。
電源を接続しコンプレッサーを動作させます。
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冷却系の圧力が上昇し始める直前まで
冷媒が一挙に吸い込まれていきます。
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加えて、ヒートガンで冷媒缶を温め
ながら何とか18gに到達します。
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温めないと冷媒缶の表面に氷が張るほど
冷えます。先にコントロールバルブを閉じます。
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続いてマニホールド側のバルブを閉じます。
充填中ゲージは一定の正圧を示します。
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コンプレッサーを動作させているので、冷媒が
充填されるに従い熱交換器が冷たくなります。
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サービスポートからコントロールバルブを
外し、元のキャップを取り付けます。
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充填作業を終え上部
カバーを元に戻します。
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カバーは薄い鈑金製なので、タッピング
ネジがネジ穴を簡単に舐めてしまいます。
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木箱・段ボール箱から出して、冷媒を充填して、
再び段ボール箱に戻す・・を猛暑の中繰り返します。
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充填作業をご依頼いただいた台数は、当日分で30台。
その前後でテストも含め数台を作業しているので、全部で
35台くらい作業したでしょうか。猛暑・灼熱の中、厳しい1日
でしたが、冷えてきた庫内を確認するほんの一瞬、涼しさを
味わいながら作業を終えました。この冷蔵庫は各地の
リゾートホテル、温泉、スーパー銭湯などに設置され、
類を見ないコーラフレーバの販売に活躍するそうです。
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